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CDのすゝめ

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最近では、YouTubeや各種ストリーミングサービスで音楽を聴く人が増え、CDの売り上げは減少傾向にあります。

そのため、CDはもはや時代遅れの産物と思っている人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、CDには音質が良い、ジャケットや歌詞カードなどの付録が楽しめる、コレクションとして価値があるなどの良さもあります。

そして、この記事では「音質」という観点からCDを深堀りしていこうと思います。

 

 

1. 音をデジタル信号に変換する手法

まず、第一に音というのは振動(波形)が耳に届いて聞こえる現象であり、音を波形として表したとき、高い音は周波数が高く、低い音は周波数が低い波として表されます。

そして、音をコンピューターで扱う際、一般的に「パルス符号変調」(PCM)という手法でデジタルデータ化されます。

仕組みとしては、音の波形を一定間隔ごとに記録する「標本化」(サンプリング)と、標本化で拾いだした値を、その値に最も近い整数などの値に変換する「量子化」(A/D変換)の2つを組み合わせたもので、それぞれ「サンプリング周波数」(Hz)と「ビット深度」(bit)として表されます。

 

2. CDはストリーミングサービスよりも高音質

 

音質という観点からCDを見ると、CDはストリーミングサービスよりも音質が良いと言われています。

これは、CDがリニアPCMという方式で音声を記録しているためです。リニアPCMは、元のアナログ音声を忠実にデジタル化するため、情報量の損失が少なく、高音質な音声を再生することができますが、容量が大きくなってしまうというデメリットもあります。(非圧縮)

数値で表すと、16bit/44.1kHz 2ch = 1411.2kbps

この1411.2kbpsというのがビットレートと呼ばれるもので、音質の指標とされています。

2-1.圧縮とは

圧縮には、圧縮後に元の状態に戻せる「可逆圧縮」と元の状態に戻せない「非可逆圧縮」の2種類があります。

可逆圧縮ではFLACやALACなどが、非可逆圧縮ではmp3やAACが代表的な方式です。

前者はあまりファイルサイズが小さくならず(50-60%削減)、後者はファイルサイズを大幅に(75-95%)削減することができます。

非可逆圧縮であるmp3の大まかな原理は、

  1. 人間が聞こえないとされる高音の削除
  2. 「マスキング効果*1」で聞こえなくなる音を削除
  3. ハフマン符号化等でさらに圧縮

これにより、高音が大幅になくなってしまうので原音に忠実かといわれると、はい。と答えることはできないでしょう。

2-2.ストリーミングサービスの音質

ストリーミングサービスは、ファイルサイズを小さくするために音声を圧縮して配信しています(例外有)。圧縮によって情報量が失われるため、CDと比べると音質が劣化してしまいます。

例外として、Amazon Music UnlimitedやApple Music等の一部ストリーミングサービスは一部楽曲で最大 24bit/192kHz 2ch = 9216kbps (平均3730kbps)と圧倒的なビットレート(高解像度音源/ロスレスオーディオ)でのストリーミングが可能ですが、現時点では対応楽曲の少なさが目立ちます。

 

以下が各種ストリーミングサービス、およびCDのビットレートです

Amazon Music Unlimited ~9216kbps

Apple Music Lossless ~9216kbps

CD 1411.2kpbs

Spotify ~320kpbs

LINE Music ~320kbps

YouTube Music ~256kbps

YouTube ~160kbps(諸説あり)

 

3.検証

今回は以下の音源とWaveSpectraを使用して周波数特性を調べていきます。

  1. CDから取りだした放課後ティータイムの「GO! GO! MANIAC」の非圧縮WAVE(1411.2kbps)
  2. 1のWAVEをmp3(320kbps)に変換したもの
  3. e-onkyoで購入した麻枝准,やなぎなぎの「Before I Rise」ハイレゾ音源(24bit/96kHz 2ch = 4608kbps)
  4. 3の音源をmp3(320kbps)に変換したもの

赤線:最大値

青線:平均値

緑線:再生中の値

GO! GO! MANIAC 1411.2kbps

GO! GO! MANIAC 320kbps

Before I Rise 4608kbps

Before I Rise 320kbps

320kbpsの方は20kHz以降の高音が全くと言っていいほど出ていないことがよくわかるかと思います。

ストリーミングサービスでも曲によっては非圧縮で配信されているもの(ロスレスオーディオと呼ばれたりもする)もありますが、高音質で音楽を聴きたいならまだCDの方が有利といえるのではないでしょうか。(5年,10年後にどうなってるかはわかりませんが)

結論

ストリーミングサービス(一部例外有)<CD<ハイレゾ音源

 

あとがき

現時点では対応楽曲の数が少ないロスレスオーディオ(以下ロスレスという)なども、サービス開始されたのがAmazon, Apple 共に2021年6月なことを考えると、あと5年もすれば新しい楽曲はもちろん昔の楽曲もリマスターなりされて高音質で配信されるようになっているのかもしれません。

これはあくまで私の感覚にすぎませんが、2022年以降に制作された楽曲の中でもMVなどが作られるもののロスレス対応率は比較的高いですが、それ以前に制作された楽曲の大半は通常品質といわれている、120~192kbpsの範囲に収まってしまっているような気がします。

そのため、昔の楽曲や新しい楽曲でもロスレスに対応していないものが高品質でストリーミングされるようになるまではCDは高音質といえるのではないでしょうか。

今回の趣旨とは少しずれますが、つい先日のネイチャー誌に掲載された超大容量光ディスクで光ディスクが再注目されることに少し期待していたりします。

 

 

参考文献

各種ストリーミングサービスの公式サイト

デジタルオーディオの仕組み - 音声圧縮の原理 MP3, AAC, ATRAC, etc. - white croquis

【2024年2月最新】CDを超える音質「ハイレゾ」とは? イヤホン・ヘッドホン専門店が詳しく解説! | e☆イヤホンの特集ページ

中国で「スーパー光ディスク」誕生 1枚当たり1ペタバイト級の記憶容量(CGTN Japanese) - Yahoo!ニュース

*1:人間の耳は、大きな音に近い周波数帯の小さな音が聴こえにくいという特性を持っています。例えば、交通量の多い道路の近くや駅のホームで列車が通過中に、話し声が聞き取れなかったり、昼間は生活音で全く気にならない時計の秒針の音が、静かな夜にはよく聴こえるといった現象で、これを「マスキング効果」と呼びます。

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